ベストほっかり賞

 修了式で校長先生が、ある5年生のお話をしました。

 5月頃のことです。Aさんは、学校から帰る途中にある家で、庭の手入れをしているおばあさんに出会いました。Aさんが「こんにちは」と元気なあいさつをすると、そのおばあさんもあいさつを返してくれました。そして、「笑顔であいさつをしてくれて、とてもいい気持ちになったよ」と言ってくれたそうです。 それから、その家の前を通る時、おばあさんがいると必ずあいさつを交わすようになりました。おばあさんがいない時は、「どうしたのかな」とも思ったそうです。 おばあさんと仲良くなったAさんは、6月頃から、おばあさんの家でお話をするようになりました。Aさんが学校のことを話したり、おばあさんのお話を聞いたりしました。おばあさんは、92歳で、一人暮らしでした。5月からずっと、Aさんとおばあさんは、あいさつを交わしたり、話をしたりして、すっかり仲良くなりました。Aさんは、時々手紙を書いて、おばあさんの家に届けたこともありました。 一人暮らしのおばあさんさんも Aさんと仲良くなって、きっとうれしかったことでしょう。ところが、2月の終わり頃から、おばあさんの姿を見かけなくなりました。Aさんは、心配になりました。そんなときです。おばあさんのお子さんとお孫さんが、学校にAさんを訪ねてきました。そして、Aさんは、おばあさんのお子さんとお孫さんから おばあさんが入院したことを聞きました。遠く栃木県に住むおばあさんのお子さんたちは、おばあさんからAさんのことを聞いていました。だから、入院したことをわざわざ学校に来て、知らせてくれたのです。Aさんが、おばあさんとあいさつをしたり、お話をしたりして親切にしてくれたことをおばあさんもとても喜んでいて、そのお礼も言いたくて、Aさんに会いに来てくれたのです。 おばあさんは今も入院していますが、Aさんは手紙を書いて、それをおばあさんのお子さんたちさんが届けてくれたそうです。

とてもいいお話だと思います。「笑顔のあいさつ」がきっかけで、おばあさんと仲良くなって、Aさんのやさしい気持ちが、おばあさんとおばあさんのお子さんたちに伝わりました。このお話に「ベストほっかり賞」を差し上げます。

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